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こんにちは、三宮 元町 トアロード沿いにあります神戸北野Nデンタルクリニックです!
歯医者での治療においてよく用いられる局所麻酔ですが、実は患者さんの全身状態や症状によって使い分けられているのはご存知でしょうか。 今日はその使い分けについて解説いたします。
局所麻酔薬には様々な種類があり、主成分や添加物などにより麻酔の効果自体に差が出たり、いろいろな副作用を抑える効果があったりします。
①キシロカイン
主成分はリドカインという成分で医科でも多く用いられている成分となります。リドカインは効き目も十分で毒性も比較的弱めなので使いやすいのメリットです。また、血管収縮薬のエピネフリン(アドレナリン)が添加されています。血管を収縮させることで麻酔薬が患部以外へ流れにくくなり作用時間が長く、効き目も強くなります。また、出血を抑えやすくなるので大きなメリットがあります。アドレナリンはその名のイメージ通り血圧を上昇させる効果がありますので、極端な高血圧の方や甲状腺機能亢進症、高血糖を招く危険性があるため糖尿病の患者さんには原則禁忌となっています。 また、三環系抗うつ薬と併用すると血圧低下が起きる可能性があるので注意が必要です。
②オーラ注
主成分はキシロカインと同じくリドカインとなります。エピネフリンの含有量がキシロカインより少し多くなります。最大の違いは防腐剤としてパラベンが含まれていないことです。ですので、防腐剤に対してアレルギーのある方や、そもそもアレルギー体質の方に用いることが多くなっています。当院では何か特別な理由がない限りはこの麻酔薬を使用しています。
③シタネストーオクタプレシン
主成分はプロピトカインと呼ばれる麻酔薬になります。リドカインと薬理作用は類似しています。 血管収縮薬としてエピネフリンではなくフェリプレシンが配合されておりこの違いでオーラ注などど効き目が変わってきます。エピネフリンは細動脈を収縮させるので麻酔薬の流出や出血をより防げますが、フェリプレシンは細静脈を収縮させるのでエピネフリンより効果が弱く麻酔の作用時間が短くなり、また効くまでに時間がかかるようになってしまいます。出血を抑えにくくなるので手術部位が見えにくくなるなどのデメリットがあります。 ただ、エピネフリンより血圧上昇が起こりにくいのと心臓への負担が軽度なので高血圧の方や心不全の方に用いることが多くなります。 ①②で気分不良が出た方にも用います。当院でも使う機会の多い麻酔薬です。 ただし、子宮収縮作用・分娩促進作用があるため妊娠後期には使用を避けます。
④スキャンドネスト
主成分はメピバカインになります。リドカインより毒性が低いですが、やや弱い麻酔薬となります。 スキャンドネストにはエピネフリンも防腐剤も含まれていません。ですのであらゆるリスクのある方や小児患者さんなどに非常に用いやすい麻酔薬となります。その代わり血管収縮薬は含まれておりませんので、効果時間は短く(30分程度)、やや効き目も弱く出血も抑えてくれませんので簡単かつ痛みの少ない処置に使用が限られるのが難点です。 ただ、高血圧やアレルギーを同時にお持ちの方や、お子さんの治療には重宝します。
キシロカイン 効き目、効くまでの時間、効果時間は十分だが防腐剤が含まれている。アレルギーや高血圧の方には使いにくい
オーラ注 キシロカインと同等の効果で防腐剤が含まれていない。アレルギーの方にも使いやすい
シタネスト エピネフリンが入っていないので効果時間は短く・効くまでの時間も長くかかるが、高血圧の方に使いやすい。防腐剤は入っている。
スキャンドネスト 血管収縮薬、防腐剤は入っていないので効果時間は極端に短く効果も弱いが、あらゆるリスクのある方に使いやすい。
他にも何種類もの麻酔薬が存在しますが、当院では上記の麻酔薬を使い分けています。 局所麻酔が原因で死に至ることは滅多にありませんが、それでも重篤な症状が出ることはあります。 過去に麻酔で気分不良があった方や、麻酔薬に対してアレルギーがある場合、高血圧・心疾患などのお持ちの方などは確実に歯科医師に知らせるようにしてください。 何気ない麻酔であってもこのように患者さんによって使い分けられていることがほとんどです。より安全に治療をしてもらうためにも自分の情報は伝えるようにしてくださいね。
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