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神経を守る治療|神戸北野Nデンタルクリニック

神経を守る治療

 こんにちは、神戸市中央区 中山手通 元町 トアロード沿いにある歯科医院 神戸北野Nデンタルクリニックです!

   大きな虫歯が見つかってしまった……

  歯医者さんは神経を抜かないとダメ、って言ってる。 でも痛みはないし、なんとかして残す方法はないの?

虫歯の子供のイラスト(男の子)

 神経まで虫歯が広がってしまうと強い痛みが出ます。その痛みを止めるために神経を抜く必要が出てきます。 また、痛みはなくても虫歯の治療中に神経が出てきてしまうと神経を抜かないといけない場合もあります。

 そこで、今回はどういった時に神経を抜き、またどういった時に神経を残すのか。その神経を残す治療とは一体どういうものなのかを説明いたします!

虫歯 | 石橋の歯科・歯医者 中西歯科クリニック

 虫歯は図のように段階的に進んでいきます。 神経まで進んだ虫歯のことをC3と呼びます。 歯の外側のエナメル質、その内側にある象牙質を超えて奥まで進んでしまった虫歯です。

 通常は神経まで虫歯が進むと堪え難い痛みが発生します、ズキズキと痛み、鎮痛薬も効かず眠ることができないような痛みです。

この痛みを止めるためには、通常は感染してしまった神経を取り除く必要があります。神経を弱らせる薬を塗って1週間後に死んだ神経を取り出したり、その日のうちに神経を取り出すこともあります。  また、痛みはなくとも治療中に止むを得ず神経が出てきてしまう場合もあります。この時にも痛みが出ることを防ぐため神経を抜くことを選ぶ時があります。

 

 しかし、たとえ神経が出てしまったとしても特殊な薬剤を使って神経の保護を行い残す治療を選ぶときがあるのです。

もちろん全ての場合に行える治療ではなく、条件があります。

 それは残す神経が感染していないこと治療を無菌状態で行えることです。

神経は感染してしまうと痛みが出るようになるので、感染した神経のみを取り除き二度と細菌が入らないように保護してしまえば神経を残すことが出来ます。

 ただ、この感染した神経と感染していない神経の見極めが非常に難しいのです。

 

保護する方法(考え方)としては3パターンあります。

間接歯髄保護法 

 虫歯を取りきった時に、もう少しで神経が出てしまう場合に行う処置です。 神経の上に一層薄い歯質を残し、その上に水酸化カルシウム製剤という薬剤を置きます。その薬剤が刺激となり歯は薄くなった部分に修復象牙質という歯によく似た構造の歯を作り出します。 そうすることで神経が出そうになった部分の歯が強化され神経が守られるようになります。

また、これの応用でAIPC(非侵襲性間接覆髄)という治療法もあります。  虫歯を最後まで取り切ると神経が出てしまう場合の治療法です。その部位の虫歯を残した状態で上記と同じ方法を行い、殺菌効果と修復作用を狙うことによって神経を保護します。

 非常に良い治療法なのですが、この治療法の欠点は虫歯の菌を残す治療法であることと、すでに神経が感染してしまっている可能性があることです。

 うまくいけば痛みも出ることなく歯髄が保護されるのですが、失敗して菌が神経へ感染・もしくはすでに感染している場合には強い痛みが生じる場合があります。  細菌は目に見えるわけではないため、確実にゼロになったかどうかはわからないのが正直な所です。残ったとしても問題ない程度なら良いのですが、どうなるかは様子を見ないことにはわからないことが多いのです。 出来る限り成功を収めるために、ラバーダムを使って治療中に外部から細菌が入らないようにしたり、使う薬剤をより良いものに代えて工夫したりしています。 

 上記のような処置後、早ければ1〜2週間、長いと半年ぐらい様子を見ます。その間に痛みが出れば神経を抜き、症状がなければ最終の詰め物などの治療を行います。

 

直接歯髄保護法

 これは治療中にほんのわずか神経が出てしまった時の治療法です。行うことは①とほぼ同じですが、完全に神経が出てしまった場合の処置です。大きく出てしまうと神経を抜くことが多いですが2mm以下の小さなものであるとこの方法で神経を保護します。 神経がすでに出てしまっているので①の時より長く様子を見ます。痛みが出る可能性が高いので患者さんにはよくよく説明することが重要です。

生活歯髄切断法

 そして近年、個人的に多く取り入れているのが生活歯髄切断法です。神経が出た時に、感染している神経を見極めその部分のみを除去し、水酸化カルシウム製剤、もしくはMTAセメントという特殊な薬剤を使い残った神経を保護する方法です。

 昔からあった方法ではあるのですが、とにかく感染した歯髄と感染していない歯髄の見極めが難しく失敗が多かった治療法です。今までは神経からの出血の有無や痛みの有無などで判断していました。 

 最近、私が取り入れている理由は、マイクロスコープと発達とMTAセメントの進化にあります。マイクロスコープは20倍まで拡大して見えるようになるのですが、ここまで拡大して見れると壊死している神経と生きている神経の違いがわかるようになるのです。ただ、かなり経験は必要になりますが大きな武器となります。 

 また、MTAセメントという素晴らしい材料が開発されました。強い殺菌作用があり身体との親和性もよく封鎖性に優れているため、この方法による成功率が格段に上がりました。 しかし、保険適用はされていないため、少し高額になることと、使用している歯科医院を探す必要はあります。

 神経を保護する方法は失敗する可能性もありますが、良い治療法であることは間違いありません。今まで神経を抜いていた場合でも残すことができ、歯の総合的な寿命を延ばすことが出来るのです。  しかし、万能ではありません。強い痛みが出ている場合や、すでに神経が死んでしまっている場合など歯科医院に来院された時点で手遅れの場合もあります。  ですので手遅れになる前に検査などを行い、早期発見にて治療を行うことが重要になります。

 痛みの発生や手遅れになる前にぜひ歯科医院へお越しいただき、現在の口の中をしっかりご自身で把握して適切な処置を行うことをオススメいたします!

 何かあればぜひ当院へお越しください!

 

神戸北野Nデンタルクリニック

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